幼少期に親から引き離されると、一生続く脳の発達障害が引き起こされる


現在、移民政策(ゼロ・トレランス)により、親から引き離されることを余儀なくされる子供が話題となっていますが、これについて国内外から批判が殺到していました。

トランプ大統領はこの移民政策を撤廃しましたが、まだ2300人もの子供が親と引き離されたままだということです。

今回の政策に、発達心理学者をはじめとした専門家の批判が殺到したというのも、昔からこういった発達期に親と過ごすことの重要性は発達心理学の中でも特に重要視されており、親からの分離が異常行動やのちのちの精神疾患のトリガーとなることが知られているからです。

また、このような親子分離の影響は子供の脳に一生涯続く解剖学的変化をもたらすこと、それは親と再び引き合わされたとしても治ることのないことも明らかとなっているそうです。

ハーロウの愛着に関する実験

特に、心理学者ハーロウの実験は発達心理学を学んだ人は知らない人はいないという程に有名です。

takanashi66 / Pixabay

この実験では生まれたばかりのアカゲザルの赤ちゃんを2種類の代理母の模型によって育てさせるというものでした。

一つは、針金製でできた哺乳瓶をつけた代理母、もう一つは毛布のような布にくるまれた代理母でした。

この結果、お腹が空くと針金製の代理母からミルクを飲みますが、食事が以外の時間では、布製の代理母にしがみついている時間が長かったそうです。

また、針金製の代理母だけによって育てられたサルの赤ちゃんは、好奇心が失われ、まるで常に不安に怯えているかのような、部屋で頭や体を抱えてうずくまるといった行動が見られたようです。

このような実験はもちろん人でやることはできないので、この結果から、人における影響を推測することしかできません。

しかし、幼少期の子どもたちは食べ物からとる栄養だけではなく、皮膚から受け取る保護者に守られているという感覚を欲していて、その安全地帯を確保することが、より強い好奇心を養うことに繋がるということがこの結果から明らかではないでしょうか。

移民政策で引き離された子どもたちを一体誰が世話するつもりだったのか、実際はどのようなものだったかはわかりませんが、小さな子どもたちにとって、つらい経験となったことが予測されます。

人間などの霊長類や哺乳類で脳が不完全な状態で生まれる場合、出生後、親のケアに強く依存します。

親は子供のために、温度を調節し、食糧を提供し、環境の脅威から保護などに尽力します。

また、その期間、子供の感覚器官は発展途上ではありますが、もっとも接触する機会の多い親の情報を、視覚、聴覚、触覚、嗅覚などから、受け取り、それを我が身が安全であることと結びつけて確認しています。

5歳未満の子供はその情報が確認できないとき、コルチゾール・エピネフリン・ノルエピネフリンなどのストレスホルモンを上昇させ、脅威に自分自身で対処しようとしますが、それが長期間持続すると、炎症・エピジェネティックな変化(遺伝子の破壊を誘発する科学的変化)が誘発されることがあります。

また、緊密な関係を気づいているため、親の精神状態は子供に直接伝わるため、非常に重要な要素になります。

精神医学の専門家によると、親が離婚したなどの事情で、親から長く引き離された子どもたちが、のちのち精神疾患を発症する危険性が指摘されています。



もちろん精神疾患を発症しないものや、情緒安定性に優れたこどもたちもいるそうです。

ですが、診断を受けていないものの中にも、他人への安心感や信頼感が損なわれており、専門家たちは親子分離のトラウマは一生涯続くものであると指摘しています。

げっ歯類においては、数日連続して、2~3時間分離されるだけでもこういったストレスに対する反応が引き起こされるそうです。

一旦引き起こされた、この反応は親とその後引き合わされたとしても、変化を戻すことができないそうです。

これは脳イメージング研究からも明らかとなっているそうです。

例えば脅威反応を引き起こす中枢として有名な扁桃体が通常よりも大きくなり、その他の領域との接続に変化が現れるそうです。

こういった過剰な恐怖反応が引き起こされることは未知なる経験に対する挑戦機会を子どもたちから奪うことになり、学業成績、キャリアおよびその他のプライベートなものにも影響を及ぼすことが予測されます。

また、恐怖を和らげるために依存症や薬物にたよる可能性も上がるかもしれません。

こういった悪影響を少しでも減らすため、一日も早く移民の子どもたちを親元に戻されることを祈っています。

また、二度とこういったことが引き起こされないよう今回の一連の出来事をわすれないようにしてもらいたいなと思います。

参考URL:

 

 

 

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