自閉症スペクトラム障害を持つ脳は報酬の感じ方がほかの人とは異なっている


自閉症スペクトラム障害(ASD)の症状を持つ脳の報酬回路が障害を持たない人たちとは異なっているという研究結果が、2018年に JAMA Psychiatry に掲載されました。

fMRI画像を用いて行われた研究結果です。fMRIはヒトの脳内の血流動態反応を視覚化する手法です。脳内のある領域が活性化されると、酸素の消費量が増えるため、その部位の血流が増加します。fMRIはその活性化された脳の領域を特定できるニューロイメージング手法になります。

脳の報酬回路とは何か心地よいことや価値のある行動を行ったときに、活性化される回路のことを言います。

今回の研究では、自閉症スペクトラム障害に特徴的である、社会性と対人関係の障害、コミュニケーションや言葉の発達の遅れを抱えることや、行動や興味の偏りと限定されたある行動を繰り返し行うこと脳の報酬回路の使い方に表れていることが、明らかになったようです。

この実験では、自閉症スペクトラム障害を有する子供たち259名とそうでない子供たち246名の脳活動を比較しました。

その結果、自閉症スペクトラム障害を持つ子供たちは、笑顔を浮かべて、「サムズアップ(親指を上げる)」のサイン(肯定的な意味をもつジェスチャー)をもらう、社会的報酬を与えられるビデオよりも、Minecraftなどのゲームのようにより関心が限定されるようなビデオをみている時のほうが報酬回路が活性化されていることがわかりました。

MireiaPascual / Pixabay

この研究から、報酬に関する情報を処理するシステムに自閉症スペクトラム障害を持っている子供たちは違いがあることが示唆されました。

報酬回路が活性化させるというのは、その行為をしているとき、子供たちは幸せを感じていると言いかえることができます。

自閉症スペクトラム障害を持っている子供たちは、時に周りの自閉症スペクトラム障害を持たない人間たちには理解不能な行動に執着しているように見えるかもしれませんが、彼らはそれを心から楽しんでいるということなのだと思います。

この研究結果から具体的に考えれば、自閉症スペクトラム障害をもつ子供は、だれかにほめられることよりも、自分の興味関心を満たしてくれる行動をしているほうがよっぽど幸せを感じるということを示唆しています。

たとえ今すぐ誰かに認めてもらえなくとも、好きなことを繰り返すことで個性を生かし、強みを強化すればそれがそのまま将来、何かの役に立つこともあります。

また、自閉症スペクトラム障害は先天的な障害だといわれているので、それはその人が持って生まれた幸せを感じる源泉を見つけられたということなのだと思います。



やはり生まれついた興味関心というのは他人にどうこう言われたからと言って変えることは難しいと私は思います。

自閉症スペクトラム障害を持った人が何かの行動に執着しているのならば、無理にやめさせるのではなく、そっと見守ることが、本人も周りも幸せになる一歩なのかなと思いました。

参考URL:

How the Brain’s “Reward Circuit” Plays a Key Role in Symptoms of Autism Spectrum Disorder

Evaluation of the Social Motivation Hypothesis of Autism A Systematic Review and Meta-analysis

C.C.Clements et al., 2018 JAMA Psychiatry

 

 

 

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