人間が最悪な気分になる瞬間


人間が最も最悪な気分になる時と聞いて、どんなときを思い浮かべるでしょうか。

仕事をしているとき?

誰かと口喧嘩になったとき?

などが思い浮かぶかもしれません。

私はそういった瞬間を思い浮かべました。

ですが、意外なことに、フロー体験 喜びの現象学の著者であるM.チクセントミハイによれば、

最悪の気分は、一人でいて、しなければならないことが何もないとき

に報告されたそうです。

一般的な人間はつねに外的な刺激を必要としており、たった1人で、内側から、心の秩序を維持するのは並の人間にはとても難しいと言われています。

テレビがここまで、発明以来、好まれるのはこれが理由で、先の読める筋書き、馴染みの出演者などは、心配事が心に浮かぶことを防いでくれるためだそうです。

最近ではテレビ離れが若年層に広がっているとも言われていますが、代わりにYouTubeなどの動画サイト、SNSなど、常に新しい刺激を提供し続けてくれるもの、受動的になれるものが今も人気となっています。



こういったものが全くない状況で、外的な目標、外的な刺激、外部からのフィードバックが欠如した場合、注意がさまよい始め、思考が混乱し始めます。

これは本書「フロー体験」の中で「心理的エントロピー」と呼ばれています。

もしも、いわゆる孤独な状態でこの心理的エントロピーを避けるためには、時間を構造化すること、周囲のものを人格化することが有効であるといわれています。

具体的には、一日中毎日厳密に定められた日課を持つことで、注意を秩序化することができます。

そうすることで、自分自身の世界を統制化できるそうです。

実際にフロー体験の中にはこういった生活を実践している人物の例が描かれています。

面白いと思ったのは、たとえ他の人間との関わりを絶ったとしても、周囲のものを人格化し、代わりとして関わりをもたなければ、人間はその環境に耐えられないということでした。

人間関係のストレスはうつ病などのきっかけになったり、転職理由として上位にあげられており、人間の心を蝕むのは、人間関係の悪化だとクローズアップされることも多いようにおもいます。

ですが、それよりも何も外部からの刺激がなく、時間的に秩序化されていない状況が、より人間のこころを蝕むというのは、人間はやはりストレスを感じつつも、だれかのそばにいなくては生きていけない、社会的な生き物であるということを、改めて感じさせてくれると思いました。

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